近年、脱毛サロンを取り巻く経営環境は、集客手法の多様化や価格競争の激化などにより、これまで以上に効率性と収益性の両立が求められる局面を迎えています。
中でも、脱毛機にかかるランニングコストは、売上規模を問わず継続的に発生する固定的な支出であり、サロン経営に大きな影響を与える要素の一つです。
今回の調査では、脱毛サロン関係者を対象に、脱毛機のランニングコストに対するアンケート調査を実施しました。
脱毛機のランニングコストがサロン経営にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにし、今後の機器選定やコスト管理を検討するうえでの参考情報としてご活用いただければ幸いです。
| 【調査概要】 調査対象:35名の脱毛サロン関係者 調査方法:インターネットアンケート調査 実施期間:2025年12月3日~2025年12月15日 |
【調査概要】あなたの役職・サロン業態について教えてください
選択肢
| ▼役職 ・経営者 ・店長・責任者 ・スタッフ(機器選定に関わっている) ・その他 ▼サロン業態 ・脱毛専門サロン ・総合エステサロン ・美容室・理容室(併設) ・セルフ脱毛サロン ・メンズ脱毛サロン ・脱毛+エステ併設サロン ・医療提携サロン ・その他 |

本調査では全国の脱毛サロンの経営者・スタッフ35名を対象に、ランニングコストに関するアンケート調査を実施しました。
【質問①】現在、導入している業務用脱毛機の台数を教えてください
選択肢
| ・1台 ・2台 ・3〜4台 |
「2台保有」が51.43%と過半数を占める

業務用脱毛機の台数を調査したところ、回答者の51.43%が「脱毛機2台」を導入していると回答し、最多層となりました。
この結果から、現在の脱毛サロン運営においては、「2台運営」が現実的かつ合理的な選択肢として広く受け入れられていることがうかがえます。
その背景には、以下のような要因があると考えられます。
- 1台のみの運営では回転率・予約対応に限界がある
- 複数台の導入は初期投資や固定費などのコストが増加する
こうした事情から、「機会損失を防ぎつつ、コストを抑えられる最低限の台数」として、2台が選択されている可能性が高いと考えられます。
また、「3〜4台」と回答した層が一定数存在する点から、以下のような成長フェーズのサロンも含まれていると推察されます。
- 脱毛を主力メニューとしている
- 複数ベッド・複数スタッフ体制
- 稼働率が高く、増設ニーズがある
これらの結果から、脱毛サロンの設備投資においては、過剰投資を避けつつ、効率的な運営を実現する台数設計が重視されている現状が明らかになりました。
【質問②】現在お使いの業務用脱毛機について、月間のランニングコストは平均いくらですか?
選択肢
| ・〜1万円 ・〜3万円 ・〜5万円 ・5万円以上 ・わからない |
マシン1台あたり「月3〜5万円」のコストが全体の約8割と常態化

業務用脱毛機の月間のランニングコストを調査したところ、全体の約8割(80.0%)が月3万〜5万円以内に集中していることが明らかになりました。
■内訳
- ~3万円:34.29%
- ~5万円:45.71%
これを年間換算すると、約36万円〜60万円となり、設備維持だけでも継続的なコスト負担が発生している状況がうかがえます。
サロン全体で発生する機器関連コストとして捉えると、これらは小〜中規模サロンにとって決して無視できない固定費であることが分かります。
一方で、「5万円以上」と回答した層も11.43%存在しており、複数台保有や高い回転率により、ランプ・カートリッジの交換頻度が高くなっている可能性も考えられます。
脱毛機は1台ごとに故障リスクや保守契約費、消耗品在庫といったコストが発生します。
そのため、台数が増えるほどこれらのランニングコストが積み上がり、利益率を圧迫しやすい構造になっていると推察されます。
【質問③】現在のランニングコストについて、どのように考えていますか?
選択肢
| ・非常に高い(経営を圧迫していると感じる) ・やや高い(利益を減らしていると感じる) ・適正範囲内だと思う ・安い・コストパフォーマンスが良い ・そもそもコストを詳しく把握していない |
82.86%が高いと認識!ランニングコストは“明確な経営課題”

ランニングコストについて「非常に高い」と回答した割合が20.00%、「やや高い」が62.86%となり、これらを合算すると82.86%がランニングコストを「高い」と感じていることが明らかになりました。
この結果から、多くの脱毛サロンにおいて、ランニングコストが利益率を直接圧迫する要因として認識されており、経営レベルの課題として捉えられている状況がうかがえます。
こうした不満は、単にコスト水準が高いことだけでなく、以下のような要因によるランニングコストの予測不能性や不透明さにも起因していると考えられます。
- 消耗品の種類が多い
- 交換頻度が事前に把握しづらい
- 保守費用が都度発生する
- 台数増加に比例してコスト増加が避けられない
脱毛サロン経営において「売上拡大=利益拡大」とは限らず、ランニングコストの管理・可視化・抑制が、持続的な成長における重要な経営判断軸となっていることを示唆しています。
【質問④】ランプ交換・カートリッジ交換・消耗品補充の頻度はどのくらいですか?
選択肢
| ・1ヶ月に1回以上 ・2〜3ヶ月に1回 ・半年に1回 |
約9割がカートリッジ・消耗品補充の頻度を「3ヶ月以内」と回答

消耗品の補充頻度について調査したところ、「1ヶ月に1回以上」と回答した割合が11.43%、「2〜3ヶ月に1回」が74.29%**となりました。
これらを合算すると、全体の85.72%が3ヶ月以内に何らかの交換・補充を行っていることが明らかになりました。
中でも最多となった「2〜3ヶ月に1回」(74.29%)という回答から、多くの脱毛サロンでは四半期ごとに必ず機器関連の出費が発生している実態がうかがえます。
年間換算では4〜6回の交換・補充が必要となり、これらのコストは変動費というよりも、ほぼ半固定費に近い支出であると考えられます。
ランニングコストは、売上や予約数の増減にかかわらず発生するため、集客が一時的に落ち込んだ場合でも回避することが難しく、利益率に直接影響を与える要因となります。
そのため、脱毛機を導入する際は導入時のコストだけでなく、ランニングコストも考慮した選定が重要です。
【質問⑤】脱毛機のランニングコストにおいて「高い」と感じる項目を全て選んでください
選択肢
| ・1ショット当たりの単価 ・ランプ・カートリッジ交換費 ・冷却水/フィルター ・メンテナンス料金 ・修理費用 ・電気代 ・消耗品代(リネン・ジェルなど) ・その他 |
「ランプ・カートリッジ交換費」が28.75%と最多

高いと感じるランニングコストに最も多く選ばれたのは「ランプ・カートリッジ交換費」で、28.75%を占めました。
ランプ・カートリッジ交換費はメーカーや機種によって差はあるものの、1回あたり10万〜20万円程度の費用が発生するケースが多く、一時的な支出額が大きい点が特徴です。
さらに、使用頻度に比例して発生することから、たとえ交換費用が安価でも総ショット数が少なければ交換する頻度が増えてコストがかさむ可能性があります。
脱毛機のコスト評価においては、単純な「交換費用の安さ」だけでなく、総ショット数や耐久性を含めた長期的なコスト構造を把握することが重要であると考えられます。
次点は「メンテナンス料金(21.25%)」!突発的な修理・維持費が負担に
高いと感じるランニングコストとしては、メンテナンス料金が21.25%、修理費用が16.25%と続き、ランプ・カートリッジ交換費に次いで、脱毛サロンの利益を圧迫する主要な要因であることが明らかになりました。
特に、修理費用は突発的に発生するケースが多く、事前の予測や予算化が難しい支出となりがちです。
また、保守・メンテナンス料金についても、契約内容や対応範囲が分かりにくい場合があり、経営上の不安要素となっていると考えられます。
【質問⑥】ランニングコストの見直しを行ったことはありますか?
選択肢
| ・ある ・ない ・検討中 |
62.86%がすでにランニングコストを見直し済み

ランニングコストの見直しを行ったことがあると回答した層は62.86%にのぼり、過半数を超える結果となりました。
このことから、ランニングコストは単なる「気になる支出」ではなく、実際に経営改善の対象として対策を講じるべき重要なコストとして認識されていることが分かります。
特に脱毛機のランニングコストは、以下のように複数の要素で構成されているため、利益率を継続的に押し下げやすい構造になりがちです。
- 消耗品(ランプ/カートリッジ等)
- 保守・メンテ料金
- 修理などの突発費
一方で、82.86%が現状のランニングコストを「高い」と感じており、多くのサロンがコスト削減の努力をしていても機器そのものの構造的なコスト要因を取り除けていないと考えられます。
これらの結果から、既存のマシンを使い続けながらのコスト削減には限界があり、「マシン選定の基準」そのものを根本から見直す必要があると言えるでしょう。
【質問⑦】どんな方法でランニングコストの見直しをしますか?
選択肢
| ・脱毛機メーカーの変更 ・消耗品の安価なものへの切り替え ・使用ショット数の管理徹底 ・スタッフ教育による無駄ショット削減 ・点検頻度の見直し ・その他 |
見直すべきコストは「消耗品の安価品へ切り替え」で31.67%と最多

ランニングコストを見直す方法を調査したところ、最も多く選ばれたコスト削減施策は「消耗品の切り替え(31.67%)」でした。
ランニングコストに対する不満の中心がランプ・カートリッジ等の消耗品にあるため、改善策もまず“消耗品”に集中していると読み取れます。
消耗品の切り替えは、突発的な費用ではないことから短期間で着手でき、月次コストへ反映されやすいことも多くの事業者が優先的に取り組む理由と考えられます。
一方で、「脱毛機メーカーの変更」と回答した割合は16.67%にとどまり、消耗品の切り替えや管理徹底といった運用改善施策と比べると、相対的に低い結果となりました。
これは、脱毛機の入れ替えが高額な初期費用を伴うことに加え、施術品質の再確認やスタッフ教育の再設計など、意思決定および導入にかかるコストが高い施策であるためと考えられます。
その結果、多くのサロンではまず、「現在使用している機器の範囲内で改善できる余地」を最大限活用する判断が取られていることがうかがえます。
「使用ショット数の管理徹底(28.33%)」が2位
消耗品の切り替えに次いで、「ショット数管理」が28.33%と、ランニングコスト削減策として多く挙げられました。
ショット数管理とは、実際にどれだけのショットを使用しているか(ロスを含む)や、施術ごとのショット基準が適切に守られているかといった、日々の運用管理の精度が問われる取り組みです。
これらの管理が徹底されているかどうかによって、ランプ・カートリッジなど消耗品の寿命は左右され、結果として交換頻度や追加コストに直結します。
この結果から、脱毛サロン経営においては、設備や契約条件だけでなく、現場オペレーションの管理レベルそのものがランニングコストに大きな影響を与えていることが示唆されます。
【質問⑧】今後、省コストの脱毛機への入れ替え意欲はありますか?
選択肢
| ・すぐにでも検討したい ・良い条件なら検討したい ・いまは必要性を感じていない ・わからない |
脱毛機の入れ替えは「条件付き」が74.29%と圧倒的

脱毛機の入れ替え意欲について、「良い条件なら検討したい(74.29%)」「すぐにでも検討したい(11.43%)」を合計すると、85.72%が省コスト可能な脱毛機への入れ替えに前向きであることが分かりました。
一方で、「良い条件なら検討したい」という条件付きの回答が最多であることから、入れ替えの意思決定には明確なハードルが存在することも示唆されます。
実際に、記述式回答では、以下のような声が見受けられました。
性能や効果そのものへの不満は少ないものの、ランニングコストによる利益圧迫を理由に「条件が良ければ入れ替えたい」という声が特に多い傾向でした。
さらに、コスト削減によって価格改定やサービス品質の向上など、顧客への還元につなげたいとする意見も一定数確認されています。
これらの結果から、多くの事業者はランニングコストを高いと感じつつも、現状では「やむを得ないコスト」として受け入れている実態がうかがえます。
しかし、性能を維持したままコストを抑えられる明確な選択肢が提示されれば、入れ替え意向は一気に高まる可能性があると考えられます。
【質問⑨】理想的だと思うサポート・メンテナンス体制を教えてください
選択肢
| ・定期的な訪問点検がある ・ランプ代などの消耗品が格安・無料 ・故障時の代替機即日対応 ・本体保証期間が長い ・修理費用や部品代が定額・保証内 ・リモートでの技術サポート ・点検費用の無料化 ・機器アップデートの無料提供 ・その他 |
最大の不安は“稼働停止”!最多は「故障時の代替機即日対応(21.25%)」

理想的なサポート・メンテナンス体制として最も多く選ばれたのは、「代替機の即日対応」で21.25%という結果でした。
脱毛機は、ひとたび故障が発生すると施術そのものが行えなくなり、当日の予約を消化できなくなるリスクを伴います。
その結果、売上の減少にとどまらず、キャンセル対応の増加や顧客満足度の低下といった二次的な影響も生じやすく、結果として大きな売上機会損失につながりやすい設備であると言えます。
こうした背景から、事業者が重視しているのは「いかに安く修理するか」ではなく、「トラブル発生時でも事業を継続できるか」という経営視点であると考えられます。
「本体保証が長い」「修理費・部品代が定額/保証内」が同率
理想的なサポート・メンテナンス体制として、「本体保証が長い」「修理費・部品代が定額/保証内」がいずれも16.25%**と同率の結果となりました。
脱毛サロンにおけるランニングコストへの不満は、単に「金額が高い」という点にとどまらず、「いつ発生するのか、どこまで保証対象なのか分からない」といった、コストの予測不能性にもあると考えられます。
経営の観点では、支出額の大小だけでなく、コストの変動幅が利益計画や資金繰りに与える影響が大きくなりやすい点も見逃せません。
こうした背景から、代替機対応や保証内容といったサポート体制にニーズが集まっているのは、経営の安定性を重視する意識の表れであると考えられます。
まとめ
多くの事業者は、脱毛機の効果や施術品質そのものには一定の満足感を示している一方で、ランニングコストによる利益率の圧迫に課題意識を持っていることが分かりました。
そのため、施術品質を維持しながら、費用の予測可能性や稼働停止リスクを抑えられるサポート体制を重視する傾向が見られます。
ランニングコスト削減には、「高性能かどうか」ではなく、「安定して使い続けられるか」「費用の見通しが立つか」という視点での機器選定が、経営改善につながると言えるでしょう。



